「忘れてたとか」「今年はやめとこうかな」せめて「今回は勘弁してやるか」と考えてくれないかなぁと…毎年毎年きっちり来てくれます花粉。この時期に一年分のくしゃみをしてしまう木こりのムラジこと星村です。
木こりをしながら伐採した木を持ち帰り木工作品を作っております。
水分をとばすためにねかせるのではなく、むしろみずみずしいうちに手を加えて何かしら形作る。これがグリーンウッドワークといいます。詳しくは、私が以前書いたブログ①生木で暮らしの道具を作る、グリーンウッドワーク② 色々作ってみたをお読みになっていただければありがたいです。
さて今回は、大物のククサ作りに挑戦しました。
ククサとは、北欧(フィンランドやスウェーデン)で白樺のコブで作られてたコップのことです。私も今調べて知りました…「コブってなんやねん」って思ったものですから。
調べてみました。幹にボコってコブができてるんですね。どの木にもコブができるわけではないでしょうから、ククサは貴重なコップと言えます。
私が作ったのは単に木の株をくり抜いて作った物ですからククサと呼ぶのはおこがましい。ククサっぽいコップと呼ぶことにしましょう。
まずは、伐採して手に入れたケヤキの木。ケヤキが適しているとかじゃなくてただこの日手に入ったものがケヤキだったというわけです。
できるだけ四角になるようにチェンソーで切りましたが‥難しい。下手するとチェンソーで怪我を負う危険性もあります。きれいに製材できるマシーンが欲しいですな。
さて、ここからが大変。ノミや彫刻刀、フックナイフを使い穴をくり抜いていきます。これも旋盤機があれば早いのでしょうが、それでは削る楽しみがない。グリーンなウッドワークじゃないわけです。
しかし、削るのは大変ですが、削り始めると気持ちが良くなってきます。よく切れる道具ならす〜いす〜いといつまでも削っていたくなります。セラピー効果があるような気がします。
血だらけですね。ナイフの先ちょが触れただけの怪我です。いつものことなのでご心配なく。
随分と形が整ってきました。
夏目漱石の『夢十夜』の中で仏師の運慶が登場します。運慶が像を刻んでいるとそれを見た主人公が、「よく失敗しないもんだな」みたいなことをうと別の人が「あれは形をノミで削ってるんじゃないよ、あの通りの仏像が埋まっているのを掘り出しているだけなんだよ。だから失敗するはずがないんだよ。」と会話する場面がありますが。私が掘り出すのは、ガラクタばかり。せめて金貨でもあればね。
指が入るくらいの穴を開けようとしたらでたらめなところで貫通してしまい。これ以上大きくできませんでした。
センスがほすぃ〜。握るところをどういった形にするか
素敵な形が思い浮かばない。
ここからの握るところや穴の深さの微調整が結構かかります。
手前のククサっぽいコップはグリーンウッドワークの研修で作成したもの(材料は栗の木)。
栗の木は、削りやすい木です。削り心地も良いですね。
穴には、紐をとりあえず通してみました。
完成‼︎ 意外と量が入らない。これで約130mlです。
山に持っていって使おう。
ああ。それにしてもこういった工作ができる広いスペースが欲しい。
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